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遺言書を自分で開封しても良いですか?

  • 文責:代表 弁護士 西尾有司
  • 最終更新日:2024年1月22日

1 遺言書は自分で開封してはいけない

自筆の遺言(自筆証書遺言)については、ご自宅で保管されている場合がありますので、作成者が亡くなられた後、自宅で発見されることがあり得ます。

また、生前に自筆の遺言を託されている場合もあると思います。

自筆で作成された遺言については、封筒に入れて、糊付されて保管されていることが多いでしょう。

このように、封筒に入れて保管されている遺言について、自分で開封しても良いのでしょうか?

先に結論を述べると、自筆の遺言を自分で開封することは、禁止されています。

自分で開封してしまうと、ペナルティや不利益が生じるおそれもあります。

ここでは、自筆の遺言を開封してしまうとどうなるかを説明するとともに、封筒に入った遺言を発見したり保管したりしている場合にはどのようにすべきなのかを説明したいと思います。

2 遺言書を開封した場合のペナルティや不利益

まず、遺言書を自分で開封してしまうと、5万円以下の過料が科される可能性があります。

遺言書を開封してしまうと、過料の裁判がなされることがあり、裁判所が過料を科するとの決定を行うと、裁判所が決めた金額を納めなければならないこととなっています。

過料を科するかどうかは、開封してしまった理由等により判断されます。

次に、遺言書を自分で開封してしまうと、遺言の有効性に疑義が生じるおそれがあります。

遺言を開封してしまうと、遺言の保管者が遺言に手を加える余地が生じてしまいます。

このため、遺言が開封されていることに言付けて、遺言が不利に働く相続人から、遺言が偽装された、遺言内容が勝手に変更された等の主張がなされるおそれが生じてきます。

実際には、遺言を偽造したり、遺言内容に手を加えたりしていないとしても、遺言が開封されているという事実から、相続人から、このような主張を行う材料を与えてしまうこととなりかねないのです。

こうしたペナルティや不利益が生じることを考えると、遺言を自分で開封することは、避けなければならないと言うことができます。

3 自筆の遺言については検認申立をすべき

封印のある遺言に限った話ではありませんが、自筆の遺言については、必ず、検認申立をすべきです。

検認申立は、家庭裁判所に、検認申立書を提出することにより行います。

検認申立を行うと、検認期日が指定され、相続人全員に対し、検認期日の通知がなされます。

検認期日では、遺言書を裁判官に手渡し、封印のあるものについては、裁判官が開封を行います。

その後、遺言書のコピーを取り、裁判所の記録に残します。

このように、封筒に入っている遺言については、必ず、検認申立を行い、検認期日において、裁判所で開封してもらう必要があります。

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