障害者手帳の交付を受けていない場合には、相続税の障害者控除を利用することはできないのでしょうか?
1 相続税の障害者控除の要件
相続または遺贈により財産を取得した法定相続人が障害者であり、要件を満たす場合には、相続税の障害者控除を利用し、相続税の減額を受けることができます。
障害者控除の要件は、被相続人が亡くなった時点で障害者であることです。
障害者にあたるかどうかは、いわゆる障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳、身体障害者手帳、療育手帳)の交付を受けているかどうかで判断されることが多いです。
それでは、被相続人が亡くなった時点で障害者手帳の交付を受けていない場合には、相続税の障害者控除を利用することはできないのでしょうか?
結論としては、障害者手帳の交付を受けていない場合であっても、一定の要件を満たす場合には、相続税の障害者控除を利用することができます。
2 被相続人が亡くなったあとに障害者手帳の交付を受けた場合
まず、被相続人が亡くなった時点では障害者手帳の交付を受けていなかったとしても、診断書の記載内容等から、被相続人が亡くなった時点でも障害者手帳の記載と同程度の障害があったと判断される場合には、相続税の障害者控除を利用することができる可能性があります。
この場合は、申告書を提出した時点で、障害者手帳の交付を受けているか、交付の申請中であるという条件を満たせば、障害者控除を利用することができます。
このように、障害者控除の適用を受けるためには、申告書を提出する時までに、少なくとも障害者手帳の交付の申請までは行っておく必要があることとなります。
3 寝たきりの場合、要介護認定を受けている場合
障害者手帳の交付を受けていない場合であっても、寝たきりの場合、要介護認定を受けている場合には、相続税の障害者控除を利用することができる可能性があります。
それは、以下の場合についても、相続税の障害者控除を利用することができることとなっているからです。
・ 寝たきりの状態にある者のうち、市町村長等の認定を受けた者
・ 要介護認定を受けている65歳以上の者のうち、市町村長等の認定を受けた者
※ このような市町村長等の認定を、障害者控除対象者認定書といいます。
逆に、寝たきりであったり、要介護認定を受けていたりしたとしても、自動的に相続税の障害者控除の適用を受けることができるわけではなく、市町村長等から障害者控除対象者認定書の交付を受けなければ、相続税の障害者控除の適用を受けることができないこととなります。
4 成年後見人が選任されている場合
障害者手帳の交付を受けていない場合であっても、成年後見人が選任されているときは、相続税の障害者控除の適用を受けることができます。
この場合は、後述の特別障害者となります。
5 非課税となる額
障害者控除の利用により非課税となる金額は、障害の認定区分等によって異なってきます。
非課税となる金額は、以下のとおりです。
・ 一般障害者の場合
(85歳-相続開始時の年齢)×10万円
・ 特別障害者
(85歳-相続開始時の年齢)×20万円
一般障害者に該当するか、特別障害者に該当するかについては、以下のとおり定められています。
・ 精神障害者保健福祉手帳
1級→特別障害者
2級、3級→一般障害者
・ 身体障害者手帳
1級、2級→特別障害者
3級、4級、5級、6級→一般障害者
・ 療育手帳
重度の知的障害者→特別障害者
上記以外の知的障害者→一般障害者
・ 寝たきりの状態にある者のうち、市町村長等の認定を受けた者
認定に応じて、特別障害者または一般障害者
・ 障害のある65歳以上の者のうち、市町村長等の認定を受けた者
認定に応じて、特別障害者または一般障害者
・ 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者(成年被後見人を含む)
特別障害者
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